がん治療・温熱療法
高周波ハイパーサーミア治療
ハイパーサーミア治療とは
ハイパーサーミア治療は、従来のがん治療(手術や放射線治療、抗がん剤治療など)と違い、正常組織にダメージを与えることなく、がんの病巣がある領域を治療することができますので、従来見受けられるような副作用や後遺症などがなく、理想的な治療として注目されています。
しかしながら、現在はがんに対して“必ず十分な加温ができる”装置は開発されておらずハイパーサーミアだけでがんを根治することは難しいため、従来のがん治療と組み合わせて治療効果を高めることが一般的です。
従来のがん治療と併用するメリット
生体の免疫機能を高めるとともに、以下のメリットがあります。
手術 | がんを小さくしてから手術ができます。手術と併用することで再発が抑えられます。 |
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放射線 | がん細胞の放射線感受性を増感させます。 |
抗がん剤 | がん細胞に取り込まれやすくなります。がん細胞の抗がん剤感受性を増感させます。抗がん剤の量を軽減できます。 |
ハイパーサーミアの治療効果
治癒率の向上
がんの種類
適応範囲の広さ
早期のがんだけではなく、再発がんや転移性のがんにも応用でき、延命効果と症状緩和が得られます。
ハイパーサーミア治療の原理
人の細胞は42.5℃以上になると急速に死んでしまうことを利用して、がん細胞の温度だけを選択的に上昇させてがんの活動を和らげます。
選択的に上昇できる理由
正常な細胞に加温した場合
血流の増加によって熱を逃がすので、温度が上昇しにくい。
がん細胞に加温した場合
がん細胞は血流が増えないため、熱を逃がすことができず死滅に向かいます。
治療を受けることができる方
- がん治療を受けられている方
- 年齢制限はありません
- 治療にかかる40分程度、体位を保持できる方
対象となるがん
理論上あらゆるがんに有効ですが、実際には温めやすいものと温めにくいものがあり、効果は様々です。
口腔がん
咽頭がん
喉頭がん
肺がん
食道がん
胃がん
肝臓がん
すい臓がん
十二指腸・結腸・直腸がん
子宮がん
卵巣がん
乳がん
膀胱がん
前立腺がん
悪性骨腫瘍
軟部肉腫
その他
以下のいずれかに該当する方は事前に医師へご相談ください。
- 食道ステントが挿入されている方
- その他の部位でも金属ステントが挿入されている方
- ペースメーカーを埋め込んでいる方